有給休暇は自由に取得できる?
年次有給休暇は、勤務開始後6か月以上働いたら、有給休暇を取得できる資格が得られ、働いた期間に応じて与えられる有給休暇の日数が決まります。例えば、1年未満の場合は10日、1年以上3年未満は20日です。
有給休暇を取得する際に、会社は一定の届け出を提出するように求めているケースは多いと思いますが、この方法に法的要件はありません。
年次有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利なので、本来は取得する際に会社側の許可や調整などは必要ありません。
付与された日数内であれば、従業員は原則自由にいつでも取得することができます。一方で、従業員の誰もが希望する期間やタイミングで年次有給休暇を取得してしまうと、極端に労働力の足りない日が出てきてしまい、業務に支障をきたしてしまう場合もあります。そのような事態を防ぐために、大半の会社は年次有給休暇の届出に関するルールを定め、就業規則などに記載しているケースがあると思いますが、労働基準法に違反しているケースが見受けられます。
働き方改革で何が変わった?
2019年4月1日には、『働き方改革』の一つとして労働基準法が改正されました。
そのなかで、一年で新たに付与された法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の労働者に対し、年5日は確実に年次有給休暇を取得させることが事業者に義務づけられました。なお、時季指定の場合は労働者の意見を聞くこと、年次有給休暇管理簿を作成し5年間保管することが必要です。
そこで、有給休暇を取得する際に、その理由を聞く等(書面提出等)を行っていませんか?これは、明らかに自由度を侵害してしまいます。
会社によっては、計画的に有給休暇を取得してもらう計画的付与制度を導入しています。また、時間単位で取得できるようにするなど、働きやすさを提供しながらも、生産性が下がらないようにする工夫を取っている場合もあります。
まとめ
ポイントは、各会社の実情に合わせた運用を確立しつつ、労働基準法に準拠させるということです。
同時に、労務管理面においては、各種細かい管理ができるシステム(ソフト)なども多数出ていますので、IT導入時補助金などを活用しながら、効率的な運用も検討されるとよいかと思います。
我々は、労務管理について会社の実状にあった規程の運用、同時に現場・人事担当者共に一番フィットしやすいシステムの導入支援、人事担当者の立場を理解して、最善策をご一緒に構築していく伴走型でのご支援を提供しています。